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日別アーカイブ: 2026年7月17日

木村ダクト工業所のよもやま話~ダクトの製作・取付~

皆さんこんにちは!

株式会社木村ダクト工業所の更新担当の中西です。

 

 

~ダクトの製作・取付~

 

ダクト工事では、建物の形や設備計画に合わせて、さまざまな形状のダクトを製作し、現場へ取り付けます。

直線的な角ダクトや丸ダクトだけでなく、曲がり部分、分岐部分、太さを変える部分、機器との接続部分など、多くの部材が必要です。

建物ごとに天井裏の広さや梁の位置が異なるため、すべてを同じ寸法の既製品だけで施工できるとは限りません。

図面と現場寸法をもとに金属板を切断し、曲げ、組み立て、接続できる形へ仕上げる職人の加工技術が欠かせません🔧

また、製作したダクトを天井裏や機械室へ運び、安全に吊り込む技術も必要です。

ダクトは見た目以上に大きく、形状によっては持ちにくいため、複数人での連携や揚重計画が重要になります。

今回は、ダクト工事業を支える製作・加工・取付技術についてご紹介します。

図面を立体的に読み取る展開技術

ダクト製作の第一歩は、施工図に記載された形状や寸法を確認することです。

直線のダクトであれば比較的分かりやすいものの、曲がり、分岐、偏心、寸法変更などの部材は複雑な立体形状になります。

職人は、完成した形を頭の中で立体的に想像し、それを平らな金属板へ展開します📐

展開とは、立体物を組み立てる前の平面形状へ置き換える作業です。

寸法や角度を誤ると、組み立てた際に接続口が合わなかったり、予定した位置へ納まらなかったりします。

曲がり部分では、空気がスムーズに流れる形状を考えながら、板金の切断位置を決めます。

分岐ダクトでは、どの方向へどれだけ空気を流すかを考え、分岐角度や接続口の大きさを調整します。

近年では、専用ソフトや自動切断機を使って展開することもありますが、現場での微調整や特殊形状には職人の理解力が欠かせません。

ダクトに使われる材料の特徴

ダクトには、亜鉛鉄板、ステンレス板、アルミ板などが使用されます。

一般的な空調・換気ダクトでは、加工性と耐久性のバランスが良い亜鉛鉄板が多く使われます。

厨房や工場など、油分、水分、薬品などの影響を受ける場所では、耐食性に優れたステンレスが選ばれることがあります。

軽量化が必要な場所では、アルミ製ダクトが使われる場合もあります。

材料によって、硬さ、重さ、加工方法、溶接方法、耐食性などが異なります。

厚い板は強度がありますが、重量が増え、加工も難しくなります。

薄過ぎる板を大きなダクトへ使うと、運転時の圧力や振動で変形し、音が発生する可能性があります。

ダクトの大きさや使用条件に応じて、適切な板厚や補強方法を選ぶことが重要です。

金属板を正確に切断する技術

展開した形状に合わせて、金属板を切断します。

手ばさみ、電動工具、シャーリング機、自動切断機などを、材料や作業量に応じて使い分けます✂️

切断線がずれると、組み立てたときに寸法が合わなくなります。

切断面に大きなバリが残ると、作業者が手を切ったり、接続部分に隙間ができたりします。

切断後は、必要に応じてバリを除去し、安全に扱える状態へ整えます。

ステンレスなど傷が目立ちやすい材料では、表面を保護しながら加工します。

保護フィルムを必要なタイミングまで残し、工具や作業台による擦り傷を防ぎます。

見えない天井裏へ設置するダクトであっても、切断精度や端部処理を丁寧に行うことが、組み立てや気密性の向上につながります。

曲げ加工と接合の技術

切断した金属板は、曲げ機などを使って必要な角度へ加工します。

角ダクトでは、四つの面を正確に曲げ、箱形に組み立てます。

曲げる位置が少しずれるだけでも、断面がゆがみ、接続部分が合わなくなります。

金属板には、曲げることでわずかな伸びや変形が生じます。

材料の厚さや硬さを考え、完成寸法になるよう加工位置を調整します。

組み立てには、はぜ接合、リベット、ビス、溶接などが使われます🔩

はぜ接合は、金属板の端を折り曲げてかみ合わせる方法です。

ダクトの形状や圧力に応じて、適切な接合方法を選びます。

接合部に隙間が残ると空気漏れの原因になるため、組み立て後にシール材を施工する場合もあります。

大型ダクトを支える補強技術

大型の角ダクトは、平らな面積が広いため、運転時の空気圧や振動によって板面が動くことがあります。

板が繰り返し振動すると、「ボンボン」「バタバタ」といった騒音が発生し、変形する可能性もあります。

そこで、板面に補強を入れます。

金属板へ筋を付ける補強加工、アングル材や補強棒を取り付ける方法などがあります。

どの程度の補強が必要かは、ダクトの寸法、板厚、内部圧力、支持間隔などによって変わります。

補強を多くすれば必ずよいわけではありません。

重量や材料費が増え、施工しにくくなるため、必要な場所へ適切に設けることが大切です💪

工場製作と現場加工の使い分け

ダクトは、工場や加工場で製作してから現場へ搬入することが一般的です。

設備の整った場所で加工することで、寸法や品質を安定させやすくなります。

一方、現場の状況によっては、寸法を確認しながらその場で加工する必要があります。

既存建物の改修工事では、天井を開けて初めて正確な寸法が分かることもあります。

図面と現場が異なる場合、接続部分だけを調整する短管や変形部材を製作します。

工場でできる作業と、現場で行うべき作業を適切に分けることで、効率よく施工できます🏭

現場加工では、周囲の仕上げ材や設備を傷つけないよう、火花、粉じん、騒音などへ配慮します。

搬入経路を考えた分割製作

大きなダクトを完成形のまま製作しても、建物の入口、廊下、エレベーター、点検口などを通れなければ設置場所まで運べません。

そのため、搬入経路を確認し、必要な大きさへ分割して製作します🚚

現場へ搬入後、天井裏や機械室で組み立てます。

分割数が多過ぎると接続作業が増え、空気漏れの可能性も高くなります。

反対に大き過ぎると、運搬や吊り上げが難しくなります。

搬入経路、作業人数、揚重設備、施工スペースを考え、最適な分割方法を決めることが重要です。

新築工事では、建物の壁や天井が完成する前に大型ダクトを搬入することもあります。

工事全体の工程を確認し、搬入できるタイミングを逃さないようにします。

吊り金物で安全に支持する技術

ダクトは、吊りボルトや支持金具を使って、天井や構造体から支えます。

ダクト本体の重量だけでなく、保温材、付属品、点検時に加わる力なども考慮します。

支持間隔が広過ぎると、ダクトがたわみ、接続部へ負担がかかります。

反対に支持点が多過ぎると施工手間が増え、他設備の邪魔になる場合があります。

吊りボルトの位置を正確に決め、水平や高さを調整します📏

ダクトが傾いていると、接続部分に無理な力が加わり、天井仕上げとの位置も合わなくなります。

厨房排気ダクトなどでは、内部に油や水分がたまらないよう、必要に応じて勾配をつけます。

耐震性が求められる設備では、横揺れを抑える振れ止めや耐震支持も必要です。

地震時にダクトが大きく動き、配管や天井へ衝突しないよう、建物や設備の条件に合わせて固定します。

ダクト同士を接続する技術

現場では、製作したダクトを順番につなげていきます。

フランジ接続、差し込み接続、バンド接続など、ダクトの形状や用途に合った方法を使います。

接続面がゆがんでいると、ボルトを締めても隙間が残ります。

ガスケットやシール材を適切に使用し、空気が漏れないようにします。

ボルトは、一か所だけを先に強く締めるのではなく、全体を少しずつ均等に締めます🔩

片側へ力が偏ると、フランジが変形する可能性があります。

接続後は、内部へビスや金属片が突出していないかも確認します。

突起物は空気抵抗や騒音の原因になり、清掃時の障害にもなります。

送風機や空調機との接続

ダクトは、送風機、空調機、換気扇などの機器と接続されます。

機器は運転時に振動するため、金属製ダクトを直接固定すると、振動や音が建物へ伝わることがあります。

そこで、たわみ継手と呼ばれる柔軟な部材を使用し、振動を吸収します。

ただし、たわみ継手がねじれたり、強く引っ張られたりすると、破損や空気漏れの原因になります。

機器とダクトの位置を正確に合わせ、無理な力がかからない状態で取り付けます。

機器の点検扉やフィルター交換口をダクトがふさがないよう、作業スペースも確保します🔧

現場で求められるチームワーク

大型ダクトの吊り込みでは、複数人が声を掛け合いながら作業します。

一人が吊り金物を調整し、別の人がダクトを支え、ほかの人が接続位置を確認します🤝

合図が不明確だと、ダクトが傾いたり、手を挟んだりする危険があります。

作業前に役割と手順を確認し、持ち上げるタイミングや移動方向を統一します。

高所作業では、脚立、足場、高所作業車などを正しく使用し、工具や部材の落下を防ぎます。

ダクト製作の技術だけでなく、安全に搬入し、確実に取り付ける連携力が重要です。

まとめ

ダクト工事業では、図面に記載された形を立体的に読み取り、金属板を切断、曲げ、接合してダクトを製作します。

材料の種類、板厚、補強方法、接続方法などを、用途や大きさに合わせて選ぶ必要があります。

現場では、搬入経路を考えて部材を分割し、吊り金物で安全に支持しながら組み立てます。

一つひとつの部材が正確でも、現場での高さや位置が合わなければ、設備として完成しません。

工場での精密な製作技術と、現場での柔軟な対応力。

その両方を組み合わせることで、建物の限られた空間へダクトを確実に納めることができるのです🔨📐✨