
皆さんこんにちは!
株式会社木村ダクト工業所の更新担当の中西です。
~空気漏れ・結露・火災を防ぐ~
ダクトは、建物の中で大量の空気を運ぶ設備です。
しかし、ダクト同士の接続部や板金の継ぎ目に隙間があると、送った空気が途中で漏れてしまいます。
冷たい空気が天井裏へ漏れれば、空調効率が低下するだけでなく、周囲の建材に結露が発生する可能性があります。
厨房排気ダクトから油を含んだ空気が漏れれば、悪臭や汚れ、火災リスクにつながります⚠️
さらに、建物内で火災が発生した場合、ダクトが煙や炎の通り道になる危険があります。
そのためダクト工事では、空気漏れを防ぐ気密施工、温度差から設備を守る断熱施工、火や煙の拡大を防ぐ防火施工が非常に重要です。
今回は、建物の安全性と省エネルギー性能を支える、ダクト工事の気密・断熱・防火技術についてご紹介します。
目次
ダクトは、多くの部材を組み合わせて構成されています。
直管、曲がり、分岐、機器接続部など、接続箇所が多いほど空気漏れの可能性も増えます。
接続面にはガスケットやパッキンを入れ、ボルトやバンドで確実に固定します。
板金の継ぎ目やビス周辺には、必要に応じてシール材を施工します。
シール材は、表面に塗ればよいものではありません。
隙間の大きさや形状を確認し、空気が通る部分へ十分に充填します。
汚れや油分が付着していると密着しないため、施工前の清掃も重要です🧽
シール材が乾燥する前にダクトを動かすと、ひび割れや剥がれが起こることがあります。
使用する材料の乾燥時間や施工温度を守り、確実に硬化させます。
ダクトから空気が漏れると、室内へ必要な風量が届かなくなります。
空調機や送風機は運転しているのに、部屋が冷えない、暖まらない、換気が弱いといった問題が起こります。
不足分を補うために送風機の出力を上げると、電力消費や騒音が増える可能性があります⚡
排気ダクトから漏れがある場合は、におい、湿気、粉じんなどが天井裏や機械室へ広がります。
病院や工場では、清浄度や圧力管理へ影響することもあります。
ダクトの気密性は、設備の効率だけでなく、室内環境や衛生管理にも関わります。
見えない小さな隙間であっても、長いダクト全体で考えると大きな損失になる可能性があります。
高い気密性が求められるダクトでは、施工後に漏れの確認を行います。
送風機などを使ってダクト内部へ圧力をかけ、一定時間の圧力変化や漏れ量を測定します📊
接続部へ発泡液を塗り、泡が発生する場所を探す方法もあります。
目で見ただけでは分からない小さな隙間を確認できることがメリットです。
試験前には、ダクトの開口部をふさぎ、測定範囲を明確にします。
ダンパーや機器など、試験圧力の影響を受ける部品がある場合は、必要に応じて切り離します。
不具合が見つかった場合は、シール材や接続方法を修正し、再度試験します。
天井や壁で隠れる前に確認することで、後から大掛かりな修理を行うリスクを減らせます。
冷房時に冷たい空気が流れるダクトの表面へ、暖かく湿った空気が触れると結露が発生します💧
結露水が天井材へ落ちると、染み、カビ、腐食、天井材の変形などにつながります。
そのため、冷たい空気を運ぶダクトには断熱材を施工します。
断熱材は、ダクト全体を隙間なく覆うことが重要です。
継ぎ目、曲がり、分岐、吊り金物周辺などは、断熱が途切れやすい場所です。
わずかな隙間でも、そこだけ表面温度が下がり、局所的に結露することがあります。
断熱材の外側には、防湿層を設ける場合があります。
防湿層に破れや隙間があると、湿気が断熱材内部へ入り込み、性能が低下します。
テープや接着剤を使い、継ぎ目を確実にふさぎます。
暖かい空気を運ぶダクトでは、周囲へ熱が逃げないよう保温します。
せっかく空調機で温めた空気が途中で冷めると、室内へ必要な温度を届けられず、エネルギーの無駄が増えます🌡️
断熱材の種類や厚さは、空気の温度、周囲の環境、ダクトの設置場所などに合わせて選びます。
屋外ダクトでは、断熱材を雨や紫外線から守る外装材が必要です。
金属製の外装板や防水性のあるシートを施工し、内部へ水が入らないようにします。
外装材の継ぎ目や上部の納まりが悪いと、雨水が侵入し、断熱材が水を含んでしまいます☔
濡れた断熱材は保温性能が低下し、ダクト本体の腐食にもつながるため、雨仕舞いを考えた施工が重要です。
飲食店や食品工場の厨房排気には、油分、煙、蒸気、においなどが含まれます🍳
油がダクト内部へ付着すると、空気抵抗が増え、排気能力が低下します。
さらに、油分は燃えやすいため、火災が発生した際にダクト内部で炎が広がる危険があります。
厨房排気ダクトでは、油が外部へ漏れないよう、高い気密性が必要です。
接続部や継ぎ目を確実に処理し、油がたまりにくい形状にします。
清掃や点検ができるよう、適切な位置へ点検口を設けます。
点検口が小さ過ぎたり、設備の裏側にあったりすると、内部を十分に清掃できません。
施工時から維持管理を考え、手が届く位置や開口寸法を確保することが大切です。
建物には、火災が発生した際に炎や煙が広がるのを遅らせるため、防火区画が設けられています。
ダクトが壁や床の防火区画を貫通する場合、その開口部から火や煙が抜けないように処理しなければなりません🔥
ダクトと壁の間にできた隙間を、適切な防火材料で充填します。
一般的なシール材や断熱材だけでは、火災時の性能を確保できない場合があります。
使用する材料の仕様や施工方法を確認し、必要な厚みや充填範囲を守ります。
貫通部へほかの配管やケーブルが集中する場合は、それぞれの防火処理が干渉しないよう、他業種と調整します🤝
完成後には隠れる部分ですが、防火性能を守るうえで非常に重要な工程です。
ダクトが防火区画を通る部分には、防火ダンパーが設置されることがあります。
火災時に温度上昇を感知して閉まり、ダクトを通じて炎が広がるのを防ぎます。
煙の拡散を防ぐため、防煙機能を持つダンパーが使用される場合もあります。
ダンパーは、正しい向きと位置へ取り付けなければ機能しません。
周囲の壁や構造体と適切に固定し、点検や復旧ができるよう点検口を設けます。
天井を仕上げた後に点検口がないと、動作確認や交換が困難になります🔍
電動式のダンパーでは、電気工事業者や防災設備業者との連携も必要です。
開閉信号や連動動作を確認し、火災時に正しく作動することを試験します。
ダクト内を高速で空気が流れると、風切り音や機器の運転音が発生します。
音がダクトを通って別の部屋へ伝わることもあります👂
会議室、ホテル、病院、住宅などでは、静かな環境が求められます。
吸音材を内張りしたダクトや消音器を設け、音を低減します。
ただし、吸音材を施工するとダクト内部の面積が小さくなり、空気抵抗が増える場合があります。
必要な風量と騒音低減のバランスを考えることが重要です。
送風機や空調機との接続部には、振動を吸収するたわみ継手や防振材を使用します。
ダクトが建物の構造体へ直接触れていると、振動が壁や天井へ伝わるため、支持方法にも注意します。
ダクトへ断熱材を施工した後、他業種の作業によって破れたり、踏まれたりすることがあります。
破損したまま天井を閉じると、結露や熱損失の原因になります。
施工後は状態を確認し、必要に応じて保護や補修を行います。
防火処理を行った貫通部も、後からケーブルや配管を追加することで隙間ができる場合があります。
現場全体で情報を共有し、勝手に防火材を取り外したり、穴を開けたりしないようにします⚠️
ダクト工事業者には、自分の施工範囲だけでなく、完成まで品質を守る管理意識が求められます。
気密処理、断熱材、防火区画の処理などは、天井や壁が完成すると見えなくなります。
そのため、施工中に写真を撮影し、位置や内容を記録します📷
どの場所にどの防火材を使用したか、断熱材の厚さや継ぎ目がどのように施工されているかを残します。
検査結果や使用材料も整理しておけば、引き渡し後の点検や改修に役立ちます。
写真を撮るだけでなく、階、部屋、系統などが分かるように管理することが重要です。
記録は、施工品質を証明するとともに、不具合が起きた際の原因調査にも役立ちます。
ダクト工事では、空気を運ぶだけでなく、漏らさないこと、温度を保つこと、火や煙を広げないことが重要です。
接続部や継ぎ目を丁寧に処理し、必要に応じて気密試験を行います。
冷たい空気を運ぶダクトでは結露を防ぎ、暖かい空気を運ぶダクトでは熱損失を抑えます。
防火区画の貫通部や防火ダンパーは、建物の安全を守る重要な設備です。
これらの施工は、完成後には見えなくなることが多いものです。
だからこそ、材料の仕様を守り、施工中に確認と記録を重ねる必要があります。
快適な空気環境と建物の安全を同時に守る。
その高度な気密・断熱・防火技術が、ダクト工事業の品質を支えているのです🛡️🔥✨